(未完成) 

              同じ英語なの に?、常識のちがい -1
                                                                        --2 way はスキル  --
from 予習会14_0214 by TEL.

実地研修で、お客さんに出発時刻を示すのに、
11:15 や 11:45 と紙に書いて示す。というのがありました。
実は私もそうする(していた)のですが、実はこれは「ストレスより安全を優先した」方法で
英語圏の一般人にとっては快適ではないそうです。

デジタル表示が氾濫する中のいまの日本人にとっては、どちらかといってはなじみが少ない
(昔はこっちだったらしい)表現ですが、英語話者にとっては、「何時何分前、何時何分過ぎ」
の表現 (この何分は特にアメリカでは15分「クォーター」)であることが「体に自然」だそ
うです。

24時制を使うのは、24時間のうち働く時間が昼間でない人が使う特殊な方法である。
ということになっているらしく、これを表示すると、まずだれかはあらためて聞いてきます。
私からすれば、見たままだろうに、と思ったのですが、相手はそうではないらしく、何時何
分前、何時何分過ぎで言ってやると納得するので、そうしてやるのも「いいガイド」でしょう。
こんなこともあり、AAT kings(ツアー会社)ではバスに常備しているA4版ぐらいの大きさの
「時計板」で示します。 

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今回の研修で、「(ニッネーム)と呼んでくれ」はやるな。という指導がありました。
客は困ったときにヘルプとして「私のガイドは(ニックネーム)だ」といってもまわりの日本人は
わからない。という解説がありました。
ここで、日本のガイドさんはおなじ英語つかうガイドでも、英語圏と対応がちがうことに気が
つきました。

この、ニックネームを使わないということはよしあしで、
それでなくても「日本のガイドは優秀だがつまらない、楽しくない」という評価なので、日本人
ガイドのある種の無神経と受け取られるケース(苦情)にもなるかもしれません。

それはニックネームがあたりまえの国では「名字で呼ぶときは必ずMr. Ms.をつける」から。
つまり名字で呼ぶことが相手のステータスを示し、尊敬語として使われるという感覚が相手には
あり、ガイドは自分よりすごく偉い訳ではないのに,ガイドを 例)ワタナベ「様」とよぶのは抵抗
がある。ということがあります。

我々が 例)スチュワート(名字)様 と 呼ぶのは問題ない。相手はカスタマーなのだから。
これもおしつけるのは、「おもてなし」ではないと思うので私は、やはりニックネームでよんでもら
い、さらにこういう方法↓ をとります。
http://teruo27.5.pro.tok2.com/00/ss-name1.html#3
 中国語の先生も同じこと↑いってましたね。

日本に「嫁にきた」と(自覚している)あるイギリス人に、親しくなったので英語表現とおもって
「メアリー」と呼ぶと怒って、「斉藤と(名字で)呼んでくれ」と言われたケースがある。という話も
予習会での話題になりました。
呼び方は、呼ばせ方はその人のプライドに合わせる気遣いも必要ということですね。

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もう一つの典型的なちがい。
ガイドのガイディングスキルで「まず第一にやらねばならぬこと」それは「引き込み」なのですが、
これは日本では特に説明されることがないことです。これは「質問」をすべきか、いけないか。

あるものを紹介するときに
いきなり「これはなにか知ってますか」(反応ありがあたりまえ)、そう! よくご存知で! 。。(と展開する)
                           -- 英米豪流(客は、引き込んでもらってうれしい)----- 基本的引き込みスキル。

「ご存知のようにこれは・・」---(質問しない)日本流---------引き込みスキルなしの判定をされてしまう。
私はこれをわかっていたので、両方のケースをケース分けして紹介したことがあります。

でも、研修の先生は、「質問しても客は答えないから・・・」といってましたよね。?.........?
少なくともAU人以外は そうなのかな......

<質問する・しないについて>
「日本ではなんで質問してくれないのだ」「入り込む隙がない」「我々をなにも知らない馬鹿だとおもっ
ているのか」-------- AUに帰国後のアンケートでほぼ必ずでる感想、苦情。
これに対してエージェントは (わかっているところはわかっているので)日本のガイドは「失礼にあたる
から質問はしない」と説明するのですが、感覚的には「理解しがたい」ようです。

日本人が日本人相手の説明トークの前にまず、「知ってますか」的な質問を不用意にすると、おそらく
「ガイドが客にそのように聞いてくるとはなにごとだ、客をなんだとおもっている」と怒ることになり
ます。かく言う私自身も、客としてのそういうときにはムッとするひとりです。(ニッポンジンです ^.^)
ですから、日本人である日本のガイドは「失礼になる」とおもって質問しません。

日本人が、外国のツアーに参加したときに、なんとなく不機嫌になるのはこの現地ガイドの「常に知識
をためすような」態度に対する「無知を暴露されている」ようにも感ずる文化の違いによる無意識な反
応です。(知らないから観光にきてるんだろっ!  ガイドごときが無礼者! ) この異文化に原因があります。
質問しないこと、そのほうが失礼、楽しませてくれないと思われていることがあることも意識しておき
ましょう。これはエスコート(むこうから付いてくる添乗員)が事前に説明していても出る感想だそうです。

*現地ガイドである日本人ガイドが,明日以降の予定を前の日の夕食時に言おうとしたら、エスコートに制止されるとい うことも
  あります。(これは当のエスコートを担当した人が、ツアーリードでやってはいけない例にすらあげていました。)

 これは、そういう予定説明は「朝食のときにする」のが当たり前、夕食時にするのは「考えられない馬鹿なこと」という異 文化
 によります。日本のホテルとしたら、朝の出入りの忙しい時に、レストランで延々これをやられると迷惑なのに........。
 すべてがこうではないと思いますが、エスコートとはなにごともよく擦り合わせをしておきましょう


さきの<質問する・しないについて>私がガイド仲間に納得させたのは次の結論。
とにかくAUのガイドは、雇われ人であっても「客に対してある種の"先生"なのだ」と言う社会常識なので、

「オーストラリアやブリテンでは、確かにガイドはある種の"先生"だ。
  でも、日本人にとっては、
 "ガイドは、まったく先生の立場ではない"(どちらかというと"従者"だ、でないと客は「怒る」)」

つまりは、文化の違いということです。
で、聞かれたのは「じゃぁ、日本人相手には私は質問できないのね、仕事にならない」(質問をふっかけ
ることは、ガイドスキルの基礎の基礎, それを封じられることになる)ということがでたので、「お客が
あなたより年下ならほぼ問題にはならないが、50代ぐらいからは年下でも気をつけよう、特に男性には
注意 」と返答しました。

その人は ほぼ私と同じ世代にみえる(女性なので聞けなかった)英語しか話せない人なので,日本人を相手
にすることはないと思うが、二カ国語の若い仲間は(日本語ではないのに)、しきりにうなづいてしました。
*土着白人は英語だけだが、それ以外はここの生まれでも出身母語を別にもっているし,日本語は学校の
授業にあるので少しはなじみがある。かといって日本語の先生が日本語をは話せるとは限らないレベル。


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[ご注意] 研修の先生方の話は、日本で働く外国語を使うガイドとしての、現実と対応の実際を話している
のであり、それが良い・悪いという視点で受け取るのは間違いです。
上のことはケースバイケース(異文化)として「微妙な空気を読む」能力の一部といたしましょう。
 
*「ふたつの、相反する常識をあわせ持てるの(2 way )はスキルである」 とも言えるのではないでしょうか。
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